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山登りが辛いと感じる方へ(一般的な登山をされている中高年の方へ)

2020年1月4日編集投稿

はじめに、私は現在、山登りを辛いと感じたことは殆んどありません。私のプロフィールは男性、1957年生まれで、17%オーバーウェイトです。登山歴は今年でちょうど55年ですが登山の技術を完全に習得したわけではありませんので素人と全く同じレベルです。

体力に自信があるかと言われれば全く自信はありません。日頃のトレーニングもしておりません。どちらかというと座り仕事が多いので、万歩計をつけても1日2000歩程度の運動量しかないと思います。また、街中を歩いても多くの人に追い越されます。

比良山系の山に登る時もたくさんの方々に追い越されますし、武奈ヶ岳山頂付近で「もう少しですから頑張って」とか「意外と元気そうじゃないですか」といった類の言葉をよくかけられます。

私の山を登る動作を見ていると、いかにも疲れているというような印象を与えてしまうのかもしれません。お声がけいただいた方の、お気遣いに感謝いたします。

登山のエキスパートの方々が書かれた本やWEBサイトはたくさんあります。その中に山登りの基本的な歩き方や休憩の取り方、また登行スケジュールの決め方や装備等について詳しく書かれています。

皆さんもこのページにたどり着くまでにたくさんの情報を閲覧されたのではないかと思います。

山登りの本やWEBサイトについて私のような登山の技術もなく、平均的体力以下の方が書かれた本やWEBサイト等を見たことがありません。でも素人が表現するから逆に理解していただける事もあるかと考え、「山登りが辛いと感じる方」の参考になればと思いキーボードを走らせています。

ですが、私のような素人が登山の技術等をWEBサイトで公開することは良くありません。ご存知の通り山に一歩足を踏み入れば街中と違い全く別の世界です。見方によっては山は危険な場所であると考えることもできます。

ですのでこのページは素人の体験談とお考えいただいたら良いのではないかと思います。

以前は私も山登りは辛いものと思っていました。実際山登りは辛いですし疲れます。特に急な登りでは息が切れますし、後ろから追い越されそうになると自分では全く意識していないのにペースが上がってきてだんだん辛くなってきます。 そして山頂や目的地に着くと辛いのが一気になくなり、達成感を味わいながらお弁当を食べる。そのような山登りを続けてきました。

山登りが楽しくなったのは、1冊の本に出合った時からです。成美堂出版さんから出版されている伊藤幸司さん著の「中高年の山歩きガイド」です。

その本の中に書かれていることを少しだけ紹介いたします。まず、その本の1行目に書かれているのは「健康的な山歩きをしたい人は、絶対に頑張ってはいけません。」です。

この1行が私の山歩きの考え方を一変させました。この本は今まで私の読んだ登山解説書の中で一番役に立っている本です。

本の内容を直接紹介することはできませんので伊藤さんの本を読んで実際私が実践していることを書き出します。

  • 1、単純に考えて山登りが辛くなるのは登るペースが早いからで、ペースを落として楽に山に登っています。
  • 2、片足づつバランスをとりながら歩くと、ゆっくり歩くことができます。最初は、これが意外と難しかったのですがそのうち出来るようになりました。
  • 3、1歩の高低差をできるだけ小さくしています。(歩幅ではなく1歩1歩の標高差)
  • 4、ゆっくり歩けるようになったのでテント泊の様な少し重めのリュックを背負っても楽に登行できるようになりました。テント泊の場合は、もう少しゆっくり歩けばよいだけです。
  • 5、ペースが遅いと同じ距離を歩くにしても長い時間がかかります。コースタイムにとらわれない登山計画を立てています。
  • 6、下山の際、暗くなるからといって走ったり休憩を省いたりはしません。したがってヘッドランプは必須アイテムです。暗くなっても死にはしませんが、平常心をなくしたり、疲労困憊することで思わぬトラブルを引き起こします。
  • 7、ペースが遅いと行動範囲が狭められます。ですので山頂にこだわることはしません。山頂に立たなくても山を満喫することはできます。山頂からの眺めより中腹から山頂を眺めた景色の方が美しいと思うのは私だけではないと思います。比良山系の場合、御殿山や北比良峠から見た武奈ヶ岳は捨てたものではないと思いますがいかがでしょうか。

比良山系で一般的ルートであるイン谷⇒ダケ道⇒ヤクモキャンプ場⇒イブルギのコバ⇒武奈ヶ岳左記コースをピストンした場合の地図上でのコースタイムの合計は6時間10分です。 以前は、このコースを合計60分の休憩を含め約6時間30分で往復していましたが、現在は約7時間30分で往復しています。歩いている時間は5時間30分から6時間30分に伸びたことになります。パーセントに置き換えると18%ゆっくり歩いていることになります。 山登りを辛いと感じている人に数字の話をしても意味がありません。 数値は参考にされる程度で良いと思います。

ゆっくり歩くのは、ある程度練習しないと習得できないと思います。

実際に、ゆっくり歩くのは意外と難しい事なのです。歩き方もそうですが、帰りの電車の時間が気になったり、後ろから来る人を気にしたり、ゆっくり歩いているつもりでもいつの間にか時間の経過を気にしてペースを上げてしまったり、メンタル面でも克服しないといけない事がたくさんあると思います。

そして、パーティーを組んで登山される方は自分が遅いと周り人の迷惑になると思い、無意識にペースを上げしまいます。 登山のルールは「一番遅い人に歩く速度を合わせる」と頭では解っていても心はそれを否定します。

昔から言われるように山登りに一番必要なのは「謙虚さ」なのかもしれません。 それが山登りをいっそう楽しくしてくれるキーワードだと思います。 このページを最後まで読んでいただいてありがとうございます。

餓鬼に喰わせろ

餓鬼に喰わせろ

「餓鬼に食わせろ」とは、比良の山を生活の糧にをする人たちの古くからの言い伝えです。

餓鬼とは

餓鬼とは仏教で言うところの六道輪廻の中の一つで「生前において強欲で嫉妬深く、物惜しく、常に貪りの心や行為をした人が死んで生まれ変わる世界とされています。
餓鬼は常に飢えと乾きに苦しみ、食物、また飲物でさえも手に取ると火に変わってしまうので、決して満たされることがないとされています。」(ウィキペディアより抜粋)
容姿は鬼のような姿をしていますが、人間の目に触れることはありません。

餓鬼に喰わせないとこうなります

ある登山者が武奈ヶ岳に登り 昼食を取るのですが、自分の持って来た大盛りの弁当と菓子類を全てたいらげてしまいました。
その後下山となるのですが、先程、満腹になるまで食べた筈なのに、何故かお腹が空いてきます。

お菓子も含めて食料はすべて食べ尽くしてしまったので、リュックサックの中にはなにもありません。
登山者は体調が悪いのではないかと考えて急いで下山することにしました。 しかしながら下山を急げば急ぐ程、空腹感が増していきます。

登山者は必死の思いで下山し、ようやく登山口までたどり着きました。 登山口に着いた時は、空腹感と疲労で暫く動くことができなかったそうです。

その後、登山口で少し休んでいると徐々に空腹感も無くなり普通の体調に戻ったそうです。
何とも不思議な体験をしたと本人は言っています。

上記の経験談は今から約55年前の古い事案ですが、決してフィクションではありません。

餓鬼に喰わせろとは

言い伝えによると「山で満腹になるまで食事を取ると、餓鬼が現れ、食べ過ぎた者の栄養分を体内から吸い取ってしまうと言われています。」
また、持ってきた食料を全て食べつくしてしまうと同様の事が起きるそうです。
これは餓鬼の為に少し食料を残しておくと餓鬼の悪行からのがれられるという意味だそうです。

山に入る者への「戒め」なのかもしれません

言い伝えとは別に、上記の内容は医学的な考察が存在するのかもしれません。

ですが言い伝えに関しては、山に入る者への戒めだと私は考えます。
例えば、食料を残しておくのは、山中でトラブルがあった時への備えになりますし、一般的言われている「腹八分目」は、健康を損ねないための一つの方法とも言えます。

現在では比良山系の登山道の約30%(個人的な感想です)の場所で携帯電話が使えます。 滋賀県警にも救助ヘリがスタンバイしており、何かトラブルがあっても携帯電話で救助要請を行うことができます。
ですが、昔の比良山系の登山には救助ヘリなどありません。

決して現在の登山が安全になったとは言いませんが、現在と違い昔はトラブル回避能力を最大限に高める必用があったのではないかと推測します。 それも「言い伝え」が発生した背景の一つだと思いますがいかがでしょうか。

餓鬼に遭ったことはありません

子供の頃から比良山系に数百回登っていますが、私は一度も餓鬼に遭ったことはありません。

登山での食事や食料携行に特別な配慮を行っているわけではありません。
ですが、登山中に焼肉パーティーをしたいとは思いません。 それは、山に対する「畏敬の念」からくるもので「謙虚さ」は比良山系を楽しむための一つの能力だと思いますが、皆さんはどうお考えでしょうか。

ただ、謙虚であることは人の言いなりになる事ではありません。
パーティーの一員として登山される方で、登山地図とコンパスで進む道を確認されるのも謙虚さの一つだと思います。

スターウォーズの滝

釈迦岳登山口にあります

下の写真ですが、私には、スターウォーズのヨーダ(上)、チューバッカ(下)に見えるのですが、皆さんはいかがでしょうか?

ヨーダとチューバッカ

本来は、由緒正しい滝なのかもしれません。

水量によっては、この様に見えないかもしれません。
比較的水量が多いときに見えるようです。

スターウォースの滝全景1

場所は、釈迦岳の登山口付近にあります。
旧比良索道のリフト乗り場を過ぎ、2分程歩いたところです。

滝の手前2
滝の手前1

運が良ければヨーダとチューバッカに合えるかもしれません。
下に座標地図を置いておきます。 ここは、南北に伸びるシャカ谷の合流手地点です。